2022年度の研究実績概要 (科研・基盤研究(A))

科研・基盤研究(A)「現代日本における戦争観・平和観の実証的研究」第5年度(2022年度)は、下記のように研究を進めました。

  1.  研究代表者・研究分担者・研究協力者が参加する計10回の定例研究会を、京都大学とオンラインのハイブリッド方式にて開催し、「自衛隊に関する意識調査」(2021年1~2月に実施)調査結果の更なる分析(クロス集計・多変量解析・計量テキスト分析等)をおこないました。
  2. 上記「自衛隊に関する意識調査」調査結果の更なる分析を中心として、これまでの研究成果を集成し、平和・安全保障問題の討議と合意形成に寄与しうる学術的知見として整理・体系化しました。研究成果は、学会発表(戦争社会学研究会・関西社会学会・日本社会学会・日本社会病理学会)、学術誌への論文投稿、および一般雑誌への寄稿、メディア報道等により、研究成果の公開を進めました。
  3.  「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」に16件のデータを追加しました。
  4. 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館および広島平和記念資料館にて、現地調査を実施しました。
  5. 上記の研究と並行して、新規に採択された科研費「現代日本の戦争観・平和観とその歴史・文化的背景に関する社会学的研究」(基盤研究B、2022~2024年度)の研究計画にも着手しました。新規科研では、本科研の研究成果を更に継承発展させ、現代日本の戦争観・平和観およびその歴史・文化的背景の構造的布置状況を解明し、今後の日本の平和・安全保障問題をめぐる討議に貢献しうる新たな学術的知見を創出することを目標としています。

なお、本来は第4年度(2021年度)が本科研の最終年度でしたが、新型コロナウイルスの更なる感染拡大の影響を受け、戦争博物館・平和資料館等の現地調査の実施が困難となったため、2022年度に繰越をおこないました。同年度末には上記のとおり、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館および広島平和記念資料館にて現地調査を実施することができ、予定していた研究計画はすべて完了しました。

「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」データ追加(4)

平和・安全保障問題に関する世論調査データベースに、ID:452~467の16件のデータを追加しました。

2021年度の研究実績概要 (科研・基盤研究(A))

科研・基盤研究(A)「現代日本における戦争観・平和観の実証的研究」第4年度(2021年度)は、下記のように研究を進めました。

  1. 計9回の定例研究会* を京都大学とオンラインのハイブリッド方式にて開催し、下記2の調査報告書の作成、および調査結果の更なる分析をおこないました。
    * 2021年4月17日、5月16日、7月4日、8月1日、9月5日、9月19日、11月3日、12月18日、2021年2月19日
  2. 2021年1月~2月に実施した「自衛隊に関する意識調査」の報告書、『日本社会は自衛隊をどうみているか――「自衛隊に関する意識調査」報告書』を、8月17日、青弓社より刊行しました。
  3. 平和・安全保障問題に関する世論調査データベースに、ID:433~451の19件のデータを追加しました。
  4. 新型コロナウイルスの影響により、予定していた福岡県での戦争博物館・平和資料館の現地調査の実施が困難となり、年度内に事業を完了することが困難となったため、科研費の一部を2022年度に繰り越すこととなりました。
  5. 新規の科研費「現代日本の戦争観・平和観とその歴史・文化的背景に関する社会学的研究」(基盤研究B、2022~2024年度)を申請、採択されました。

『日本社会は自衛隊をどうみているか』書評

公益財団法人・偕行社が刊行している『偕行』2022年2月号に、『日本社会は自衛隊をどうみているか―― 「自衛隊に関する意識調査」報告書』の書評が掲載されました。評者は徳田八郎衛氏(陸自61期)。

当研究会のこれまでの研究の経緯をよく踏まえたうえで書かれ、また陸自OBとしての視点も反映されており、興味深い書評になっています。

「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」データ追加(3)

平和・安全保障問題に関する世論調査データベースに、ID:448~451の4件のデータを追加しました。

『日本社会は自衛隊をどうみているか』書評・取材記事

『日本社会は自衛隊をどうみているか――「自衛隊に関する意識調査」報告書』(青弓社)の書評が、下記の各媒体に掲載されました。

また、本書の内容を詳しく紹介するとともに、研究会代表・吉田に取材した新聞記事が、下記に掲載されています。

 

「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」データ追加(2)

平和・安全保障問題に関する世論調査データベースに、ID:433~447の15件のデータを追加しました。

近刊『日本社会は自衛隊をどうみているか――「自衛隊に関する意識調査」報告書』

2021年1月~2月に実施した「自衛隊に関する意識調査」の報告書が、8月17日、青弓社より『日本社会は自衛隊をどうみているか――「自衛隊に関する意識調査」報告書』として刊行されます。

上記リンク先の「試し読み」で、「はじめに」をお読みいただくことができます。

今後の軍事・安全保障問題に関する討議のための基礎データとして、ぜひ多くのかたにご参照いただければ幸いです。

2020年度の研究実績概要 (科研・基盤研究(A))

科研・基盤研究(A)「現代日本における戦争観・平和観の実証的研究」第3年度(2020年度)は、下記のように研究を進めました。

  1. 計7回の定例研究会* を、オンラインおよび京都大学とオンラインのハイブリッド方式にて開催し、下記5, 6の調査の準備、および調査結果の確認をおこないました。
    * 2020年5月10日、6月14日、8月9日、10月18日、11月3日、12月20日、2021年3月22日
  2. 戦没者遺族と有志による戦友会「駆逐艦菊月会」とのミーティングを6月28日にオンラインで開催しました。「菊月会」からは橋本会長・堀江幹事・中西幹事補の3名、ミリタリー・カルチャー研究会からは河野・高橋由典・野上・吉田の4名が出席し、菊月会の設立経緯と現状、活動の方針、活動への思いと動機付け等についてお話をうかがい、ディスカッションをおこないました。
  3. 吉田純編、ミリタリー・カルチャー研究会『現代日本のミリタリー・カルチャー』(青弓社)を7月17日に刊行しました。本書は、2014~16年度の科研・基盤研究(B)「現代日本における軍事文化に関する社会学的基礎研究」の研究成果を一般向けに公開すると同時に、今回の科研の主眼である「自衛隊に関する意識調査」(下記)の先行研究となるものでもあります。
  4. 「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」を2020年10月に公開しました。このデータベースは、戦後から現在まで日本国内において行われた、平和・安全保障問題に関する世論調査のデータ400件強を収録おり、「自衛隊に関する意識調査」(下記)の重要な参考資料となるものでもあります。
  5. パイロット調査「自衛隊と安全保障問題に関する意識調査」を、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社に委託し、Webモニター調査方式で2020年11月に実施しました(回答数1176)。
  6. 本調査「自衛隊に関する意識調査」を、(株)日本リサーチセンターに委託し、層化ランダム抽出された契約モニターを対象とした郵送調査方式で2021年1~2月に実施しました(回答数1971)。

最終年度となる2021年度は、上記「自衛隊に関する意識調査」の結果を多角的に分析するとともに、概要を報告書としてまとめ公開する予定です。

「平和・安全保障問題に関する世論調査データベース」データ追加

平和・安全保障問題に関する世論調査データベースに、ID:423~432の10件のデータを追加しました。