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戦友会とは

本研究会が研究対象としてきた戦友会とは、アジア・太平洋戦争時において軍隊生活を共有した人々が、戦後に結成した集団である。

アジア・太平洋戦争終結時に生存していた日本軍兵士の数は、約789万人といわれる。その人々は戦後日本社会の復興の中核をなした社会層と考えられるが、時間の経過とともにその人口は減少し、2008年現在、約40万人になっていると推定された。これらの人々の多くは、戦後、戦友会という日本独特の集団を形成した。戦友会は戦後日本社会を考える上で、きわめて貴重な研究対象と考えられる。

戦後60年以上が経過し、2008年現在、最も若い戦友会会員でも80歳前後の年齢となっており、近年、解散する戦友会の数が急激に増えている(下のグラフ参照、縦軸はケース数、『戦友会に関する統計調査資料』2008より)。

その一方で、2005(平成17)年調査の時点で、戦友会が「存続している」との回答比率が3割を超えていることは注目に値する(下のグラフ参照、上掲資料より)。この数値は、戦友会が2008年現在でも調査研究の対象となりうることを示してい た。この時ならまだ有意味な研究を遂行しえた。これが戦友会研究をぜひこの時期に行わねばならなかった理由である。