『ミリタリー・カルチャー研究』書評(朝日新聞)

『朝日新聞』2020年9月12日付・読書欄に、『ミリタリー・カルチャー研究――データで読む現代日本の戦争観』書評が掲載されました。評者は生井英考氏(立教大学アメリカ研究所)、「実体験とサブカルをつなぐ意思」というサブタイトルで、下記のように評されています。

日本には戦友会や戦争体験の社会学的研究の豊富な蓄積がある一方、オタクなどのサブカルチャー研究は別次元をなし、双方の連携は個人の域に限られてきた。本書にはそこをつなぐ意思の堅実な表明がある。

なお、最後に「宮崎駿作品の影響に触れていない」とも鋭く指摘されています。宮崎監督のアニメ映画作品は、本書の基礎になった調査(2015年)での「戦争や軍隊・軍事組織をテーマ・舞台・背景としたマンガやアニメで、あなたが推薦する作品を教えてください」という設問の回答上位10位以内にはなかったため、本書では言及しませんでしたが、回答の下位には下記の4作品が挙がっており、日本のミリタリー・カルチャーの一角を占めていることが示唆されています。

  • 『風立ちぬ』 (15位、6名)
  • 『風の谷のナウシカ』 (20位、4名)
  • 『天空の城ラピュタ』 (29位、2名)
  • 『紅の豚』 (60位、1名)

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