関西社会学会第67回大会のシンポジウム「戦争と軍事文化の社会学」において、本研究会の研究成果に基づく報告・討論がおこなわれます。
- 日時 5月29日(日) 13:30~16:30
- 会場 大阪大学・吹田キャンパス 人間科学研究科本館 51講義室
- コーディネーター 吉田 純 (京都大学)
- 報告者
福間良明 (立命館大学)
福浦厚子 (滋賀大学)
吉田 純 (京都大学) - 討論者
高橋三郎 (京都大学名誉教授)
石原 俊 (明治学院大学) - 司会者
伊藤公雄 (京都大学)
油井清光 (神戸大学)
趣旨
このシンポジウムでは,戦争と軍事文化が現代の社会・文化の中で,いかなる位置付け・意味をもちうるのかというテーマを,社会学と隣接領域との対話を図りながら追求したい。
集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法の成立は,戦後日本の平和主義の大きな転換点をなすとともに,メディアや街頭での広範な反対世論の盛り上がりは,きわめて注目すべき社会現象となった。それは,戦後日本の安全保障問題をめぐる言説空間において,しばしば隠蔽ないしは忌避されてきた,戦争・軍事のリアリティにどのように向き合い,それに対する態度決定を行うべきかという課題に国民を直面させたという点に,その社会的衝撃の本質があったとも考えられる。そこで問われていたのは,国民の戦争観・軍事組織観を基礎とする軍事文化そのもののありようであったとも言えるのである。
一方,現代の軍事文化は,その具体的な表象として,
- 映画・漫画・アニメなどのポピュラーカルチャーの中に表現される戦争や軍事組織
- 自衛隊という現実の軍事組織の内外に形成される文化
という2つの領域において,顕著な展開を見せている。この2つの領域における軍事文化の構造と変容を明らかにすることを手掛かりとして,現代日本の軍事文化の全体像に迫り,ひいては平和・安全保障問題をめぐる言説空間に一石を投じることを図りたい。
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